塩野七生さん
今日の読売新聞を読んで、驚いた。
「大波乱に立ち向かう」と題して、ここしばらく読売新聞紙上で、今この瞬間の未曾有(「みぞうゆう」と読んじゃいかんですよ?)の経済危機に対する提言を特集しているのですが、この第6回目の連載で、塩野七生さんが執筆しています。けっこう長いね。
「帝国なき時代 正義のため 行動の時」と題しています。
要約だけ書き写しますと、
- アメリカの威信が低下、覇者たる帝国なき時代に入った。
- 世界を律する正義を守るため、日本は経済で貢献できる。
- 政治危機の今、大連立内閣を汲み行動することが重要だ。
ということですね。
繁栄したローマ帝国では、無法な略奪行為は即座に鎮圧された。安全保障を宗教や文化の上位においたローマ帝国の施政により、地球海周辺の平和は保たれた。しかしローマの平和(パクス・ロマーナ)が崩壊した後、サラセンの海賊が地中海に出現し、中世が千年も続く。
といった塩野さんの自論を展開し、日本よヴェネツィアたれ、この未曾有の危機を非常時限定の大連立超党派体制で乗り切れ、工業の国として自立せよ、と説く。
国防力を高め、国家の威信を示し、産業を活性化させ、高い志(こころざし)を持ったリーダーを育てよ、というところにも通じますかね。
むろん、憲法九条も改正せよという。
その言や良し、と思いますよ。
しかし、人間は何千年経っても道徳的には大して進歩しちゃいないよね。大して知能が進んだ訳じゃないよね。まして日本人においておや、だよね。
政治的に無責任でいたい日本の大多数のメンタリティは変わらないんじゃないかなぁ。
鐵太郎は信じています。日本人って、世界的に見て驚くほど柔軟で総合的な上昇気質を持っていると。
塩野さんの発想、わからないではないけれど、その日本人の気質を持ってしても、塩野式の日本はできないと思うんですよ。
日本は、もっと違う方法でこの危機を乗り切るべきなんじゃないかなぁ。
ああ、こんな発想は、なんとかなるさという無責任な発想なのかもしれませんな。(笑)
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