ティーザー号(トマス・キッド第7巻ネタ)
「新艦長、孤高の海路」を買いました。
読んでいるうちに、キッドの指揮艦となるブリッグ艦「ティーザー号」がらみで気付いたこと。
ま、メモ代わりです。
本サイトの方も上げました。これ。 →トマス・キッド7 新艦長、孤高の海路
P26で「HMスループ艦 ティーザー号」と艦名を呼んだのですが、P37以降しつこいほどに「HMS」をつけて「HMSティーザー号」と呼びます。この艦は二本マストのブリッグ型ですが、海尉ではなく海尉艦長が指揮を執ったためにブリッグ艦ではなくスループ艦となるのですが、「HMSティーザー号」が「His Majesty's Ship」なのか「His Majesty's Sloop」なのかがよく解らない。
この艦ができたてで、内装も外装も乗組員もゼロの等しいと言う感じなので、読者としては新造艦を就役艦に仕上げるキッドの奮闘を通してこのクラスの艦船の仕組みなどを学べますね。これをくどいだの知ったかぶりだのと思う人には、この本を読む資格はないのかも。(笑)
当直表、配置表、戦闘部署表、艦長命令書など、軍艦の規律を保つためのさまざまな書類、何マイルにもなる索具類、帆。ボート類。メンマストにメンスルを張るべきか、クロジャッキだけで良しとするのか。六分儀、八分儀。トリビアのかたまりですね。
そうそう、まっさらの新造艦だというのに、なぜ基幹となる常駐の准士官(掌帆長、掌砲長、船匠など)が揃っているのかちょっと不思議でした。
うーん、よくわからないけど、そんなものなんでしょう、きっと。(おいおい)
航海長の職責とか、責任の範囲とかについても面白い文章がありましたね。
引っかかる疑問点もあり、そうなのかと肯くところもあり、そういう意味では面白いですね。
この艦ですが、ざっと調べたところ、ちょっと後の時代で同じくらいの大きさの艦がありました。
USS-Niagara アメリカ海軍のブリッグ艦ナイアガラ号です。
厳密に言うと、スノー型の帆装なのだそうですけどね。
これは黒船来寇で名高いマシュー・ペリーの兄オリバー・ハザード・ペリーが「Master Commandant」 となって指揮を執り、かの有名なエリー湖の海戦でイギリス艦隊に勝利した艦として有名なのだそうな。
この階級は、英国海軍で言うと海尉艦長「Commander」と同じと考えて良いようです。
参照→Master Commandant
就役期間は短いですね。
進水: 1813年
除籍: 1820
意味不明だけと1820年に沈んだらしい→Fate: 1820 Sunk for preservation
1913年引き上げ修理
艦の要目は下記の通り
排水量: 493 tons
全長: 110 feet (33.5 m)
全幅: 30 feet (9.1 m)
喫水: 9 feet (2.7 m)
乗組員: 130 officers and enlisted
武装: 18×32ポンド・カロネード砲
2×12ポンド追撃砲 (Wikiより)
こんな小さなフネで、キッドは地中海を航海したんですね、多分。
USSナイアガラ号については、こんなサイトもあります。参考に。
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