映画:スタートレック
最も安く映画を見る方法を考えました。
19時過ぎの最終上映時間に行くと、レイトショーで1000円。映画館からちょっと離れた穴場の駐車場だと、町中では最低料金で、20時まで30分100円、それ以後は30分50円。いいタイミングで行けば、合計1400円で見られます。よぉし。
という訳で、行ってきました、昨夜。
TOSでおなじみのメンバーの若き日の出会いや冒険を描いた前史的作品。パラレルワールド(平行宇宙)というコンセプトで描かれているため、TOSとは、微妙に異なるのがミソ。ファンにはそれまでの設定や小説、セリフで語られるのみだった事柄が描かれており、未見の人には若者の成長物語として楽しめるようになっている。ただし、今回はいわば主要キャラクターの登場・結集編であり、今後の続編での新たな冒険が期待される。
─ 映画パンフより
あ、注釈。
TOSとは、「The Original Series」の略語で、「STAR TREK」という長い時代にかけて作られた物語の中で、一番最初に作られたTVシリーズのことです。(要するに、アムロが出てきたファースト・ガンダムのようなものです。)1966年から1969年まで作られ、78あるいは79話放映されました。日本では1969年よりいろいろな題名で放映され、現在まで何度も再放送されています。
現在NHK-BSでリマスター版が放映されています。
→BS2「スター・トレック 宇宙大作戦」
感想:
ほー。なるほどぉ。
お金かけたねぇ。すごいね、映像が。目が回るね。
映画館でスタトレ映画をみたのは、実は3回目。2回目はよかったけど、一回目の「The Motion Picture」を見たときは、「こんなのを見るために10年も待ったんじゃねェぞ!」と叫んだもの。
今回は、どうかというと...
以下、不穏なことも書いています。(* ̄ー ̄*) ↓
父上は12分間、船長を務め 800人の命を救った
─ 映画の中のセリフ
クリストファー・パイク船長が荒れる若者ジェイムス・T・カークを諭そうと言ったセリフです。緊急事態の中でUSSケルヴィンの指揮を執ることになったジョージ・カークの事を言っています。
こういう父親の息子でいることはつらいでしょうな。
ところで、非常事態を宣言して、それから艦から脱出するシャトルの中で生まれた息子の名前を決めるまでの時間を考えると、12分という時間が正しいとすると、このジェームス・T君は3分~5分程度で出産した事になるのですが、これってすごくない?( ̄ー+ ̄)
TOSのエンタープライズ号には、シャトルはせいぜい5~7機のはずなんですが、この艦は何十機もあるね。すごいね。
まあTOSでは、と繰り返すと、初代エンタープライズ号を宇宙艦隊で最も大きい宇宙艦と呼び、400人強が乗艦していたという事実があったはずですが、まあいいや。
パラレルワールドと思え、TOSの時代とは関係のない設定のお話と考えろ、というのが、オープニングで映画監督の言いたいメッセージじゃなかろうか。見ながらそう思いました。だから、出てくる人はTOSのカキワリを使っているけど、関係ないと思った方が良さそうですな。
3年間の訓練を経た候補生が、緊急事態で第一線の戦闘艦艇に配属されて世界の危機を救う、という発想はそれなりに面白いですね。アクションSFとしてはなかなかいいんじゃないかな。
スタートレック世界の平行宇宙とも言えない、新しいぐちゃぐちゃワールドではあると思うけど。
モンゴメリー・スコット役のジェームズ・ドゥーハンがこの役に付いた理由の一つに、スコットランド訛りでセリフがしゃべれるというのがあったそうです。TOSでは、それぞれに個性を出すために、スールー(カトー)は東洋人らしい硬いいい方で、スコッティは「機関士はスコットランド人」という伝統(?)にしたがってその訛り、あとで登場したチェホフはどぎついほどにロシア訛りで喋るというのがお約束だったそうな。
マッコイも何かの訛りだったらしいのですが、アイルランド系という設定だったかな?
昔の設定をそのまま引き継いでくれるのは楽しいですね。でも昔のメンバーをみな一つに集めようとすると、銀英伝のパロディでユリアンからビュコックまでみんな高校生、という内輪的に楽しい設定と同じで、楽しめる人しか面白くない無茶苦茶になりませんか。
TOSではジェイムズ・カークは、宇宙艦隊最年少の34歳で大佐・正規艦長となった希有な秀才であり、その彼が「五年間のミッション」で数年エンタープライズ号を指揮したあとで新任の少尉として乗艦したパーヴェル・チェホフは、アカデミー(士官学校)卒業直後の22歳の若造でしたよね。
マッコイ、スポック、スコッティの三人はエンタープライス号の上級士官の中ではカークより年長ですが、それ以外のブリッジ士官は、みなカークよりチェホフの年齢に近い若手なのですけどね。
スールーのフェンシング好きという設定は、TOSのエピソードの中で妄想に狂わされた時に出ましたね。のちになぜ日本刀ではないのかと突っ込まれたものです。ファンジンではかなり論争になりましたっけ。
ウフーラは最初のロッデンベリーの作った設定の時には、「昔からcommunicationに興味を持っていた」とされており、なんか変だと思ったけど、「女性」で「黒人」であれば、通信士官以上の重要な役目は当時は与えられるはずもなかったから、しかたがないのですけどね。
マッコイの呼び名、「ボーンズ(Bones 骨)」という呼び名について面白い説明があったけど、むろんこれは帆船航海時代の軍医が「骨挽き Saw-bones」と呼ばれたことから来ています。ロッデンベリーは、ホーンブロワーのファンだったんですよ。当時、手足に負傷したら敗血症を防ぐために切断しなければならないことが多く、骨(bones)をノコギリ(saw)で挽くことは、軍医の象徴みたいなもんだったから。
これらのほとんどが、スポックとスコッティを除いて、同じアカデミーの候補生だったとすると、ハイスクール銀英伝の世界じゃありませんかねぇ。(*´v゚*)ゞ
スポック中佐、って字幕で見て、こんどは「Lieutenant」を中佐に誤訳したのかと思ったら、ちゃんと「Commander」と言っておりましたな。年齢差から考えて、途中で追い抜かれたとしても、せいぜい候補生と大尉ぐらいかと思ったので。あ~、TOSでは昔、「Lieutenant」は「(海軍)大尉」なのですが「(陸軍)中尉」と誤訳した前歴があります。また、「中佐 Commander」と「准将 Commodore」の混同も何度かありますのでね。「Captain」を「船長」と訳したのは致命的だけど、今さらどうしようもないし。
世紀の軍の階級で考えれば、中佐と言えば、正規士官に任官もしていない候補生ごときから見れば、神様のすぐ下ぐらいの地位なんですけどね。
無断乗艦の候補生が世界の危機を救って、正規艦長となって最新鋭の航宙艦の指揮を執るって、見事にマンガですな。
軍隊もどきのSFにおける史上最凶の昇進制度は、「銀河英雄伝説」が最右翼かと思っていたら、その上を行っているじゃありませんか。
こういう世界もありか、と納得するには時間がかかりそうです。
とはいえ、リファインされたエンタープライズ号の外観だけは、よかった。
中が異常に大きすぎることとか、内装について文句は山のようにありますけどね。
昔の「The World of STAR TREK」と「The Making of STAR TREK」を引っ張り出して設定を見直そうかと思ったけど、面倒なのでやめます。TVで見られるようになる頃には、もう少し考えも変わっているかも。
あるいは最悪、映画になった「Thunderbird」のように、消えてなくなるかも知れないけど。(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
エピローグのあとの最後の場面で、老いたレナード・ニモイが語る有名なオープニング・メッセージ:
Space, the final frontier. ・・・ To explore strange new worlds, to seek out new life and new civilizations, to boldly go where no man has gone before.
これだけは、泣ける。かつてTOSを必死で見ていた世代にとっては、これだけでも金を出した価値はあった。
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コメント
★d_deridex様
>あぁやられ役やろなぁと思ってた人物
あの何の意味があるんだかわからないパラシュート降下した三人目とか、いろいろいましたな。(,⌒-⌒) v
そうそう、大枚(?)700円も出してパンフレットを買ってしまったのですが、それに拠りますと
(1) シリーズ化は観客動員数にかかっている、と監督は言っておりますが、本作公開時点でもう2の製作は決まっていたのだそうな。
(2) USSエンタープライズ号のエンジンルームは、カリフォルニアのバドワイザー・ビール工場を借り切ってロケしたのだそうな。(あの無意味で馬鹿でかい配管はそのせいなのですねぇ)
(3) カークが転げ回った氷の惑星は、野球場の駐車場をフルに使ったそうな。
などなど。
ふーん、がんばっているんだねとは思ったけど、TOSを見てきた人、というよりディープなSFファンであった鐵太郎にとっては、このパンフも考証的に穴だらけだし、この映画自体もSF的な考察からすると穴だらけ。(^-^;
トレッキーズには、もっとまともな人がいるはずなんだけどなぁ。
まぁこの監督(J・J・エイブラムス)はハナからスタトレの面白さはわからなかったといいきっている人だから、新鮮な気持ちでつくるのはまあいいのかも。とはいえ、これでこの路線で「2」ができるんなら、世のトレッキーズは相当甘くなったよな、とは思いますね。(* ̄ー ̄*)
とはいえ、と繰り返しますが、最後のニモイさんのメッセージがあります。あれがあればほとんどのことが許せるかな、と。
投稿: 鐵太郎 | 2009年6月22日 (月) 21:15
ε(^0-0) 確かにU.S.Sケルビンの内部が後の世代の船の内部よりスペースでけぇー(ドッグ並み)とか、800人もの人間を輸送するためのシャトルって・・・(そのうち一つは確実に妊婦と数人の医療スタッフ程度の乗客)とか、エンタープライズの艦橋がオシャレカフェみたい(そっからどういう経緯であの黒っぽい内装になったんや)とか、いろいろありますけど、泣ける所有り、笑える所有り、最後のメッセージで全身の鳥肌が立ったのでまぁええかな、と思ってます。
あと、笑えたところ。あぁやられ役やろなぁと思ってた人物があまりにおもっきり画面から消えていったことw
投稿: d_deridex | 2009年6月22日 (月) 11:31