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2010年4月12日 (月)

「新・三銃士」ネタ・地図編

 実はこれ、NHK人形劇のネタだけじゃないのです。
 本サイトで上げている、藤本ひとみさんの「新・三銃士」を補完するのが目的です。
 とりあえず、本サイトではここまで。 →新・三銃士 少年編

 まぁ、先にNHKの方。
 人形劇「新・三銃士」の本放送の方は、今ラ・ロシェル包囲戦のあたりをやっています。原作の三銃士の後半のクライマックスは、包囲戦終幕に起きるバッキンガム公爵暗殺事件(史実)ですが、もう少しですね。
 再放送は第一回「旅立ちの朝」が4/4から地上波の総合TVの方で始まりました。
 ストーリー的には、ああ現代の子供向けのお話にしちゃったな、という流れです。戦争は良くないね、反乱する側にも言い分があるんだよ、庶民の生活を守らない政府は駄目なんだよ、といったメッセージ。
 これは、しかたないよね。基本的には現代の人が見てわかるようにアレンジしなくちゃいけないから。

 ところが、そこに至る登場人物の性格付けが、原作とかなり違うでしょ?
 一番驚いたのが、アトスかな。重厚で貴族的で、頼れる万能の思索家、ただし賭博と酒も人一倍、というのが原作の印象。鐵太郎的には、ポルトスほど衣装に金をかけず、アラミスほど端正な顔や手をしてはいないが、頭を高く上げて誇らしげにあるくその姿だけで銃士隊全員の敬意を勝ち得た男、02という描写が一番気に入っています。

 ところがNHK人形劇では、三谷幸喜さんがこれを大きく変えているんですよ。
 いろいろな解釈があって良いとは思ったけど、一本気で頑固なオヤジ、という性格付けは意外でし03た。
 頭脳の担当をアラミスにしたのも驚きだし、さらにアラミスに人情の機微の解説まで担当させています。

 これが、藤本ひとみさんの「新・三銃士」を読んでみたら、解釈が似てるんですよね。
 驚いた。
 原作に書いてあることではなく、原作で起きたことを並べ、その起きた経緯や経過をちょっと違う視点で見直すと、こんな解釈もできるということなんですねぇ。
 たとえば、ダルタニャンがこう考えたから三銃士と決闘することになった、という原文をもとに、ダルタニャンが決闘したのだとすると、こんな理由、こんな経緯だったんじゃないか、という具合。

 これでミレディの行動を見直すと、TVの「新・三銃士」は藤本ひとみさんの本の解釈に似てくるんです。純情一途なところもあり、恋して裏切られて絶望することだってあり得たんじゃないか。
 二番目の夫は不審死していますが、本当は自然死だったとしてもあり得るんじゃないか。お前は悪女だから毒殺したに違いない、そうだろうお前、といわれ、そう思いたきゃそう思えばいいさ、と悔し紛れに言ったんじゃないか。誰にも信じてもらえない女の絶望と開き直り。
 考えすぎかな?(笑)
 でも、ミラディがダルタニャンに抱いた恨みは、原作読んだときになにか行き過ぎに思えたもの。
 藤本式の解釈、怒りではなく悲しみだったという描写も、あり得るかも。
 そもそも、原作の三銃士を読むと、素直で真っ正直で打算もなく真面目一方に生きているキャラなんて、実は一人もいないんです。そう、あのアトスまで含めてね。みんな裏表があり、打算があります。
 じゃあ、ミラディだけを希代の悪女にするのは変じゃないか、と考えるのもおもしろいかも。

 なんでこんな事を書いたかというとね、歴史解釈が頭に浮かんだんですよ。
 同じ事件を元に、全然利害が違う人がそれぞれの立場で解釈すると、一つの事件がまったく違う意味になる。
 ナポレオンは英雄か、侵略者か。
 ヒトラーは悪魔か、近視眼的に新体制を作ろうとした失敗者か。
 伊藤博文の暗殺はテロか、愛国者の抗議行動か。
 どちらが正しいのかなんて、言えません。強いて言うのなら、強い方が言った方が正しい。

 そんなところまで頭を回すと、TVの「新・三銃士」でラ・ロシェル攻防戦を「反乱軍」との戦いという解釈をしていることも、ある視点で見たら正しいのかも、などと考えてしまった。
 むろんこれは、そもそもラ・ロシェルは当時英国の影響下にあった新教徒の自由都市で、フランス王には形式的な臣従しかしていなかったし、蜂起したとしても「反乱」といわれるほどたいそうなことをした訳じゃない、という歴史的な事実を無視していますので、基本的におかしい。そもそも当時、フランス王国は国王の権威など地方に行けば武力なしにはたいしたものではない。
 でも、今の日本の子供向けにこの事件を扱うとしたら、農民一揆的な視点で見るのが一番わかりやすいという判断があったんでしょうね。
 多分、三谷幸喜さんはそう考えたんだと思う。

 まぁ、何を言いたいのかというと、歴史はいろいろな見方ができるよね、ということ。
 だから面白いんだけどね。

 どうでもいいけど、三銃士関連の地図を作ってみました。
 だんだんこういう地図の作り方がうまくなっているなぁ。(笑)
 今回の方法は、今までと違って、エクセルに地図の画像を貼り付けてその上に線や字を描く方法。そのあとで画像ソフト上でちょっとシャープにしています。
 今までの、画像ソフト上で書く方法より鮮明になるし、白抜き枠が描ける事がわかりました。
 ウン、今後はこれで行こう。o(*^▽^*)o

 アルマンティエールって、オランダにすぐ脱出できる国境間近にあったんだね。
 原作ではそういう事は書いてなかったけど、藤本さんはそこまでちゃんと書いていますね。

 ダルタニャンは、マン=シュル=ロワールの町で小説に登場し、ここでロシュフォール伯爵とミラディに運命の出会いをしました。
 昔は、これをマン(Le Mans)だと思っていたのですが、このル・マンの町はもっとブルターニュ半島によっているので、ガスコーニュからパリへの道筋としてはおかしいのです。
 こんなことも、地図にプロットしてみて始めてわかったことです。面白いね。

Map_les_trois_mousquetaires

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