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2010年4月20日 (火)

Uボートよりの天測方法

 「Uボート」雑記」で疑問に思ったことは、要するに二つ三つの惑星で位置の測定ができるのかということでした。
 この理屈はわかったんだけど、うまい説明の言葉ができない上に、図がうまく描けない。
 三次元CADがあれば、模式的な地球を立体的に描けるんですが、二次元しかないので、二次元でなんとか描いてみました。
 一度描いてみれば簡単なんですが、慣れない図は難しいですなぁ。

 えーと、複数の惑星を天測したとします。このときの天測とは、決まった時間に星の高さを求める測定と、それに基づいて計算することですね。
 まず、それぞれの星というものは、決まった時間に正確にどこの真上にあるのかはわかっています。その時間に、測定結果が90度つまり真上にあれば、便覧を見て一発で自分の位置がわかる訳。この理屈で、星の高度が60
度であれば、地球の中心から見て、測定位置は中心角30度の位置にある訳です。
 正確に言うと、星の真下から中心角30度となる円のどこかにいることになります。言い換えると、星の真下の位置から、半径30×60=1800海里(≒3300km)の円周上にいるのです。(下図)
 一海里とは、ご存じの通りほぼ地球円周の360×60分の一で、赤道上の経度1分(1/60度)が一海里になります。

Celestial_navigation01 

 これを、もう一点星の高度を測って、同じ事をします。
 すると、下図のような感じに二つの円が得られることになります。この交点を求めれば、自分の位置という事になります。

Celestial_navigation02 さらに三つめの星を測定すれば、規準となる円がもう一つ増え、さらに精度が上がる訳です。

 気になるのは位置精度です。
 これはまず、海上での六分儀による測定がどのくらい精度があったかにかかっており、これはわかりません。仮にこれが6分(1/10度)ぐらいだったとすると、60÷10で6海里(≒11.1km)の誤差となりますが、このくらいはあったのでしょうか。実際どのくらいだったのでしょうね。

 どの本だったか忘れましたが、戦艦大和の沈没位置のことで、護衛している駆逐艦の位置でわかるのではないかという話がありました。むろんこれに対する反論として、戦闘のさなかで、俗に「盆踊り」と呼ばれる航空攻撃からのむちゃくちゃな回避行動を行っている中では、位置精度などあてになるものか、といわれたもの。
 これに対して、元駆逐艦乗り士官が憤然と、日本海軍の天測技術を舐めるなよ、と言う意味のことを言っていましたっけ(笑)。大和の沈没位置は、駆逐艦の戦闘詳報でかなり精密に測定されていたそうです。

 日本海軍にできたのなら、ドイツUボート乗組員だってできたんじゃないかな。そういう資料がないので、程度はわかりませんけどね。

 そうそう、ストップウォッチにつきましては、おそらく定時の星の位置は便覧かなにかにあったけれど、測定する時間とのズレがあるので、その時間差を測定するためではないか、とネット友人のG様より指摘がありました。なるほどね。

 まぁ、こんなところでしょうか。
 ところでWikiの天測航法の項目を見ましたら、同じようなことが書いてあります。人のことは言えないけど、あちらの図ももっとわかりやすくできないものかな。( ̄▽ ̄)

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コメント

☆青爺様

恐れ入ったか。わっはっは。

あの雑誌は、アサヒグラフだったかな?
古本屋で買ったのですよん。ミリオタの道に入りつつある頃だったかなぁ。

投稿: 鐵太郎 | 2011年12月 5日 (月) 03:10

昭和40年代の雑誌の座談会の記事なんかを記憶しているってえことは falオヤジって 予想をはるかに超えた爺?

投稿: bleu | 2011年12月 4日 (日) 23:56

☆名無しさん どもども。

 「日本海軍の天測を舐めるなよ」

のことは、昭和40年代半ばの雑誌の座談会の中で出てきた記憶があります。
この中ではもうひとつ、歴代の「雪風」駆逐艦長たちの会話もありました。寺内少佐だか誰かが、中華民国に譲渡されて「丹陽」と名が変わった「雪風」が除籍になり廃棄されたとき、なにも記念になるものが日本に来なかったことを残念がっていた言葉があったような。
戦争体験がまだまだヴィヴィッドだった時代ですね。

僕は岡のマニアですので、海のことは知識でしかわかりませんが、海でこんな事があったんだよ、というネタは大好きです。
いずれ生きているうちに、海の上でこんな天測を体験したいと思っていますが、実現できるかどうか。

投稿: 鐵太郎 | 2011年12月 4日 (日) 21:09

大変面白く読ませていただきました。
特に、日本海軍の天測を舐めるなよ、の処は本当です。
多くのヨット乗りの方が天測について書いていますが殆どは、日本式の天測法と外国の天測法を混同して書いています。
日本の天測は米村表(日本独自の方法)と言い推定位置を元に計算しますがチョット面倒ですが非常に正確です。対して外国の計算法は仮定位置法なので、仮定位置と実測位置が大きい差があると、実測位置そのものが正確な位置を示しません。ちなみに航空天測も同じであまり正確ではありません。

投稿: 名無しさん | 2011年12月 3日 (土) 11:55

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