新政権と祖母の話
老母が不意に、「お祖母さんが生きていたらねぇ」とつぶやきました。
かつて、空襲で焼けるまで、東京・四谷に市川房枝さんの事務所があったのだそうな。
祖母は、祖父の目をかすめて、ときどきそこに行って話を聞いたり、手伝ったり、寄付をしたりしていたのだそうな。祖父はおそらくそれを知っても咎めることはなかったかもしれないけれど、それが知られることで祖父の立場が悪くなることを心配したためだそうな。
国家が大政翼賛的な流れに乗り、正義が一つになって行ったとき、それに抗した人たちがいた。祖母は、表だってなにかすることはしなかったけれど、それを見守っていたそうな。
今回、その草の根政治家の末裔である菅直人氏がついに首相に上り詰めた事を、祖母だったらどう見ただろうか、と。
鐵太郎は、祖母の政治信条は分かりません。又聞きで聞くだけです。
母は、首をかしげます。
祖母は、菅直人首相の出現を、市川さんの後継者の勝利と見て喜んだだろうか。
市井の立場で訴える立場だった人が、頂点を極めるために豹変するさまを、複雑な思いで見守っただろうか。
かつて、右だ左だなどという単純な言葉で人を判断してはならない、と言って人だったそうな。当時若い祖母がそう思ったのなら、日本人は、いや人間は、60年前から全然変わっていないよね。
菅直人さん、鐵太郎はあなたが今何を目指すのか分からない。
でも、ちょっと期待しています。何かしてくれるかも、と。
変な先入観だけで決めつけて貶してはいけないよね、と。
祖母も、そう考えるんじゃないかな、と思いつつ。
そういえばタカノツメ君、花を咲かせました。早いね。
でも、パセリ君はまだ出てきません。
(´・ω・`)
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