乃木神社
老父がデイサービスで一日やっかいになる日、老母と本屋に行きました。
天気はいいけど下降気味。本屋に隣接するドトールで一息。
この親子、対話のネタが常人離れしているなぁと思いつつ、韓流ドラマをクサす母に相づちを打ち、話題は「坂の上の雲」のことへ。
あ、ちなみに私も母も韓流ドラマは数分以上見ていませんので、クサすのも偏見からです。まっとうに見て評価したことではありません。(笑)
「坂の上の雲」は、あまり本を読まない老父が昔、「竜馬がいく」と共にハードカバーで買ってきたものでした。買ってくると息子が自分の部屋に持っていって読んでいるので、不機嫌になったっけ。スマンでした。
で、なんとなく乃木さんの話題。そう、伯爵・陸軍大将・乃木希典(のぎ・まれすけ)。
右写真の人。→
この人が死んだときのことは、うちの母は昭和一ケタですから、いくら何でも知りませんが、まぁなんとなく神様扱いだったそうですね。
佐々木英昭さんの本を読んでいると、司馬遼太郎さんが本気で叩きたくなる気がわからないでもない。でも乃木神話の時代を知らない世代がそのまま司馬文学を読めば、愚将としての乃木さんをまず刷り込まれてしまう。これは司馬さんが意図したものだったのか。
それはさておき、母は乃木さんといわれても、さっぱり印象がないんだとか。
今、ただひとつ覚えているのは、乃木神社のこと。
高女に通うようになったとき、婦女子は女学生であろうとモンペをはけ、というお達しが政府から出たそうです。戦時ですから。これに女学生一同けっこうむかついたのだそうな。そこでみんなで登校時、町中はモンペをはき、学校に近い乃木神社にみんな集まってスカートにはきかえ、見つからないように走って登校したのだそうな。
ふうん。やるもんだな。(笑)
ついでに聞いてみた。
終戦後に進駐軍で働いていたとき、アメリカの女性士官には「サー」と言ったのか「マーム」と言ったのか。
残念ながら母のいた部屋には女性士官がいなかったそうで、わかりませんでした。アメリカ海軍でしたけどね。
ともかく、はっきり兵隊とわかる人には別として、ちょっとでも偉そうだったらみんな「サー」と呼んでおけば愛想はよかったのだそうな。それと、相手がそう呼べと言った場合以外は、よほどの事がない限り、間違ってもファーストネームで呼ばないこと、だそうです。
なるほどね。
そのうち、母からもこんな事も聞けなくなるんだよなぁ、と思った今日の日暮れでした。
デイケアからかえってきた老父は、もう歩くのもままならなくなっています。昔の話はもう聞けません。
今年も年の瀬です。来年はどうなることやら。
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コメント
☆hush猊下 まいど
まぁ、同居していないから多少勝手な事を言えるのかも。同居している弟夫婦にとっては、また別な感想もあろうかと思います。
ファンヒータの温度設定を、頑固に16℃のままにしていましたが、室温が14℃を切るとやせ我慢してもいられない。(笑) 設定をいじると共にアラジンのストーブを出して来ました。正月料理の煮炊き用にも使えますので。
この冬は、予想通りきつい寒さになりそうです。なにがあるにしても、なるべくして起きるのでしょうから、しかたないよね、と母の弁。相変わらずクールだな。(笑)
hush様も、よい年の瀬をお迎え下さい。
あ、題名を「乃木坂」から「乃木神社」に変更しました。こっちじゃないと話題的に変だもの。(笑)
投稿: 鐵太郎 | 2010年12月30日 (木) 20時19分
御両親がそろっておられるのはよろしいですね。
お隣も御主人がデイ・ケアに通っておられますが、通われるようになってから奥様が随分と明るくなったように思います。
母が発病した頃にはそういうものの出始めでしたので、結局、利用は致しませんでしたが、家でじっとしているよりいいのかも知れません。
また、寒くなるようです。
御家族一同、よい年の瀬をお迎えください。
投稿: hush | 2010年12月30日 (木) 19時54分