うーむ。
ここは被災地なんですよね。双葉原発の東60kmのところだし、震度6も食らったし。
あんまり意識はないけど。
あ、連日だけど普通なら本震と言ってもいいような余震があるな。
震災後一段落して、町に光も戻ってきたし、一見綺麗な町並みも今まで通り。
でも街を歩くと、ありこち壊れたところがあります。崩れたビルもあります。瓦屋根の家は、まだかなりの数がブルーシートをかけたまま。
この県の土建屋は、一時総動員で震災復興のために駆り集められたらしい。それがある程度落ち着いたのだから、直すのはできるはず。
でもね、お金がかかるのです、これ。
瓦を直すのに数十万、屋根をトタンに葺き替えるのには200万円以上かかるのです。誰が費用を払うのか。日曜大工で窓や戸は直せても、屋根の葺き替えは命がけですもの。
とりあえず、みっともないけどブルーシートでいいじゃん、となる。周りの家もみんなそうなんだからさ、と日本的な右習え思想が上手く機能する。善哉!
そこに原発騒動だよ。まったく。
ネット上でいろいろ論議はあります。
参加しても面白いんだけど、そこでちょっと待て。オイラはどのスタンスで語ればいいのか。
鐵太郎はまず技術屋です。その立場で原子力開発にしろなんにしろ、技術は止めてはならないと言うのが主張の根本にある。政治的な発言にしても、まずそのスタンスで語りたい。
しかし、東京電力のていたらくは見ていて弁護の余地はないと思う。
アレが原因で日本の原子力産業にタブーの分野が出来てしまい、大きく技術が後退することはありえる。この国と国民がそれを真に望むなら、それもやむなし。
チャレンジすべき未来技術はこれ一つじゃない。
となると、議論に参加するのも面倒になるよね。立ち位置が複雑だから。
あ~あ、某サイトの論客J氏のように、アホな発言はともかく叩いて自分がアホであることを自覚させろ、というスタンスに立てたらいいなぁ。残念ながらあれは撃たれ強く、雑学的知識がむやみに豊富で、反射神経が良くないとできないからねぇ。蛇蝎の如く嫌われることを覚悟しなくちゃならないし。(笑)
ま、いいや。猿はひっかく、雉は突っつく、犬は噛み付く。だれでも出来ることをするだけだよね。
そのスタンスで、ネット上に蔓延する根拠のない風評、パニック的な発言、愚にも付かない陰謀論には、ちょっかいを入れてます。オイラは地に足が付かない論は嫌いだから。
嘘を嘘として認識できない人、いかなる時でも茶化して楽しむヒトの存在を許せない人は、ネットでは一歩下がっているべきだよ。
消えろ、とはいわないからさ。
安全なんだから騒ぐな、とは言わない。
この町が、最悪の可能性の流れに従って人の住めない致死量の放射能に満ちることはありえる。可能性としてならなんとでも言える。
ま、そんなときが仮に来るとしても、オイラはあわてるのは嫌だよ。パニクるのも嫌だよ。
しかし、そんなことにはならないと思うんだよね。
臨界量に近づいた核燃料が暴走を始めることはあり得るけれど、核爆発を起こすとは思えない。
長い目で見て健康を害する可能性のある放射性物質が蔓延することはあり得るけれど、それで社会が壊滅するような被害になるとは思えない。
ニューメキシコの原爆実験場の周りから始まり、大国の核実験の結果社会が壊滅したことは過去にあったかな? 広島の町は、奇形児だらけの町かい?
ぼくらはフェルミ、ボーア、そしてアインシュタインの時代を経て、原子力の時代に入ったんだ。この中で折り合いを付けて生きていくしかないじゃないか。
誰かを信じないと安心できない人は、なにか、誰かに頼ればいい。しかしその対象が無謬・完璧とは思ってはいけない。
ま、こういうスタンスでいることが出来ない人には、酷な話だろうな。
そんな訳で、ネット上で読んだこの町に住む人の、
もう誰も信じられない! 誰を信じたらいいの! 誰か助けて!
という矛盾に満ちた叫びは、鐵太郎にとってはウザイのです。でも、人は弱いものだから、そんな考え方しかできない人も多いんだろうな。
これからもそんな人が増えていくんだろうか。
みんな、もっと元気出せよ。
ところで、データ好きで統計好きな鐵太郎ですが、この町で発表されている放射能の計量データについて、統計を取る気はありません。
不安を煽るから、という理由じゃない。そんな、データの基礎条件が明確でないもので安全を測りたくないから。
昨日より5%上がった、だからどうなの、ということに悩むのが嫌だもの。
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