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2010年4月18日 (日)

リシュリュー枢機卿の絵

 「三銃士」というと、覚えている絵がありました。
 子供の頃読んだ抄訳というか意訳版ですけどね。その「三銃士」の、最後の挿絵です。晴れやかな顔でリシュリュー枢機卿がダルタニャンに書類を渡す場面。

 この時子供心に思ったのです。リシュリューって、陰謀を企む悪い人、悪の帝国のボスとはちがうんじゃないか、と。
 そのあとに見た「三銃士」は、大半がリシュリューを悪いヤツと決めつけています。アニメは、むろんセンセーショナルな面白さを追求するものなのだから深い考察など期待しませんが。まぁ言ってみれば、歴史解釈が共通していた、ということですよね。
 にもかかわらず、それは違わないかという疑いが心に残りました。
 ああ、彼だって心の中は本当はいい人だったんだよ、などという単純な理由じゃありませんよ。鐵太郎は昔から、決して素直ではない。(* ̄ー ̄*)

 そのときはそう思っただけでしたが、その後いろいろ歴史について知識を得るにつれ、最初に思ったことは間違いではなかったとだんだんわかってきました。
 (子供の頃の思いこみがあたっている例も、たまにはあるもんです (*^-^) )

 

 図書館に行ったとき、たしかここに「閉架」扱いで「少年少女・世界の名作文学」があったんじゃなかったっけと気づき、捜してもらいました。昔のと装幀が変わっていますね。版が違うのかな。
 ページを繰ってみたら、ありました。
 さすがに昔の記憶ですね。もっと精密な絵だと思っていたのに、思ったよりあっさりしたペン画でした。
 でも、昔のイメージはそのまま。

 リシュリューという人は権謀術策の人で、常に他人を利用すること、他人を操ることに血道を上げ、決して人を信じなかった人なんだと思っています。国王も自分の身内も含めてね。そんな人でなければ、あRichelieuれだけのことはできない。
 もしかしたら、自分自身をすら信じていなかったかもしれない。
 それでも、というよりそれだからこそ、ちょっと小狡いが基本的に真面目で無邪気で熱心な青年ダルタニャンにしてやられたとき、こんな顔ができたんじゃないかな。

 歴史の中には、こんな人もいた。この人は常に敬意を持って扱われ、尊敬され、畏怖され、憎悪されただろうけど、決して好かれてはいなかった。でも、鐵太郎は何となく気に入っています。
 むろん、そばにいて欲しくはないけどね。(o^-^o)

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