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2010年10月 2日 (土)

蒸気フリゲート艦トロージャン号

 本サイトの「黒海の砲煙」ですが、出てくる蒸気フリゲート艦トロージャン号について調べてみました。
 「HMS Trojan」でググると、ボライソー・シリーズの「革命の海 In Gallant Company 1977」に出てきた80門搭載の戦列艦がでてきます。あのシリーズは有名だが、こちらのシリーズはメジャーではないらしい。
 蒸気フリゲート艦なんて、格好いいと思うんだけど。
 
 このトロージャン号は、砲31門搭載の五等級艦。一軸スクリュー駆動機関を搭載した蒸気フリゲート艦。
 1570トン。定員は300名。機関は300馬力。1851年にテムズ河口のシアネスで建造されたのちいったん保管状態になり、1854年再就役しました。
 むろん、フィクションのフネです。

 しかしこの艦のモデルはなんだろう? その艦の絵か写真も残っていないのかな? と思ってさがしてみました。

 
 いろいろ調べた結果 キュラソー号 HMS Curacoa というフネを見つけました。Tribuneクラスのスクリューフリゲートです。(候補に挙げたフネは米英仏あわせて30隻以上ありましたが、これが飛び抜けて近かったのでほかは割愛)
 要目は下記の通り。

建造: 西ウェールズ ペムブローク・ドック 積載トン: 1569トン
進水: 1954年4月13日 全長: 192ft (59m)
竣工: 1854年11月14日 船体長(吃水): 163ft 4in (49.8m)
退役: 1869年
 1869年7月17日 解体
全幅: 43ft (13m)
吃水深さ: 12ft 11in (3.94m)
機関: 2シリンダー水平 シングルスクリュー
1,354馬力 
気走速度: 最高 10.75 knots
乗員: 300名
兵装: 搭載砲31門
  中甲板 32ポンド砲(2.8トン/2.90m) x 20
  上甲板 32ポンド砲(2.10トン/2.44m) x 10
     10インチ旋回砲(4.25トン/2.84m) x 1

  
 建造年度をのぞくと条件に合うようです。これかな。
 兵装の、中甲板(Middle deck)と上甲板(Upper deck)の搭載砲の大きさがわずかに違うのが謎です。それと1門だけのせている旋回砲(10in (85cwt/9ft 4in) on pivot)がどんなものなのかが不明。これで31門という半端な数の内訳にはなるのですけど、なんだろうね。
 下記写真はネットで拾ったのですが、キュラソー号なのかどうか。
HMSキュラソー号 かな??

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コメント

☆柴崎艦長 ご無沙汰
 うーむ、この艦の搭載砲は謎です。
 on pivotというのは、御指摘のものかもしれないですね。とりあえず「旋回砲」と勝手に訳しておきましたが、10インチ(25.4センチ)というとかなりでかい。カロネードならそう書くと思うのですが。
 (この時代にまだカロネードはあったっけ??)

 また、すでに第二巻を読んでいるのですが、嵐の中で上甲板の68ポンド砲が固縛を振り切って動き出し、やむを得ず海中に投棄するという場面があります。これがその一門だけのon pivotの砲なのかと思って読み進むと、他の68ポンド砲の駐退索を倍がけにしろという命令がでてきます。
 68ポンド砲の重さを1万ポンドとも書いてあります。すると、4.5トンですから、上記のキュラソー号の10インチ砲の重さになる。
 謎は深まるばかり。解けない謎で終わるかもしれないけど、面白いですねぇ。

投稿: 鐵太郎 | 2010年10月 2日 (土) 11時51分

on pivotはもしかしたらHMSウォリアーの艦首と艦尾に1門ずつある大砲みたいに、1門であっちこっちの砲門から顔を出せるようにレールがしいであるあれじゃないかと妄想しました。

投稿: 柴崎 薫 | 2010年10月 2日 (土) 09時36分

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